フランチャイズ、商品を超えて世界観になる - AMOREPACIFIC STORIES
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2026.09.03
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フランチャイズ、商品を超えて世界観になる

BMのB面記録 #3 ヘラ リフレクション フランチャイズ

Editor's Note


ブランドはもはや、一つのヒーロー商品だけで存続できるものではない。数多くの製品の誕生と消滅を経験したブランドプランナーの視点から、今日のビューティブランドの成長を牽引する「フランチャイズ(Franchise)」戦略と、その精緻な世界観を築き上げるプロセスで向き合った悩みと経験を綴った。

 

 

INTRO: 「フランチャイズ」というブランドの言語

 

ビューティー業界でいう「フランチャイズ」とは、一つの代表製品やコンセプトから出発し、その固有のアイデンティティと強みをさまざまな製品群へ拡張していく戦略を指す。単なるラインアップ以上のものとして、フランチャイズが持つ明確なアイデンティティは、ブランドの哲学と体験の拡張に強固な土台となってくれる。単一の商品が点(Point)であるなら、フランチャイズ戦略はその点と点をつなげ、星座をつくる作業だ。フランチャイズの中で製品はそれぞれ独立して存在するのではなく、共通のアイデンティティのもとで互いにつながり、お客様に一貫したブランド体験を提案する。

 

一つの単品がメガヒットを記録することは胸が高鳴るが、それだけで持続的な成長を担保するのは難しい。ブランドを長く生き残らせる力は一度の成功ではなく、その成功を反復可能な資産として蓄積することにあるからだ。フランチャイズがまさにその役割を果たす。フランチャイズは、ブランドの哲学をお客様へ着実に、そして一貫して伝える言語なのだ。

 

 

<単一の商品が点であるなら、フランチャイズ戦略はその点と点をつなげ、星座をつくる作業である> 出典: Getty Images

 

 

WHY: ブランドはなぜフランチャイズをつくるのか?

 

ブランドがフランチャイズを構築する理由は、大きく二つの観点から見ることができる。一つ目は「ビジネスの効率」だ。数多くの新製品が次々と登場する市場で、すべての製品を個別に認知させ成長させることには限界がある。一方、一つのフランチャイズのもとに複数の製品があれば、マーケティングとコミュニケーションの力を単一のメッセージに集中させても、その効果を複数の製品とカテゴリーが同時に享受できる。一つの製品への関心と体験が自然に他の製品へつながり、個別製品の成果が再びフランチャイズ全体の資産として蓄積される好循環をつくることができるのだ。

 

二つ目は「ブランド体験の一貫性」だ。お客様が数多くの製品の特徴やスペックを一つひとつ覚えておくのは難しい。しかし、明確なアイデンティティを持つフランチャイズは、それ自体が一つの認識体系になる。お客様はフランチャイズの名前だけで、製品が追求する価値やイメージ、さらにはその製品がもたらす体験までを自然に思い浮かべることができる。つまりフランチャイズは、ブランドにとっては成長の効率を高める構造であり、お客様の立場ではブランドをより容易に、より鮮明に理解できる言語ということになる。

 

 

HOW: フランチャイズはどのようにつくられるのか?

 

フランチャイズが生まれるには、大きく二つの道が存在する。一つ目は「設計された誕生」だ。企画段階から徹底して大きな世界観を念頭に置き、各製品がパズルのピースのように噛み合うようラインアップを組み上げていくケースだ。ローンチと同時に、精緻に練られた世界観を市場へ印象付けるという長所がある。

 

二つ目は「有機的な拡張だ。予期せず市場で圧倒的な存在感を放った単品(Hero item)から出発し、その成功のDNAを周辺領域へ移植しながらフランチャイズへ拡張していく方式だ。ここでは、当初のオリジナリティを失わずに範囲を広げていく、精緻なバランシング戦略が求められる。

 

ブランドが直面する課題と目的によって選ぶ方向は異なるが、ヘラ コンプレクションの新しいラインアップ「リフレクション(Reflection)」は、前者の「設計された誕生」を選んだ代表的な事例だ。

 

 

CASE STUDY: リフレクション、新しい光を設計する

 

出典: HERA

 

 

ヘラにはすでに、圧倒的な地位を築いたブラック(Black)ラインが存在する。強力なカバー力と完成度の高い肌の仕上がりで市場を代表するフランチャイズとなり、ヘラの堅固なアイデンティティを構築してきた。しかし、どれほど強力なフランチャイズであっても、一つの軸だけでブランドの未来を担保することはできない。とりわけ、メイクアップとスキンケアの境界が曖昧になる「スキニフィケーション(Skinification)」トレンドのなかで、肌本来の健やかなツヤと、過度でない自然な表現を求めるお客様のニーズが高まり始めた。

 

こうした市場の流れに柔軟に対応し、ブランドがさらに大きく躍進するためには、もう一つの成長エンジンが必要だった。そうして生まれたのが「リフレクション(Reflection)」だ。リフレクションはヘラの本質である「ソウリスタ(Seoulista)」を共有しながらも、「ブラック」とはまた異なる質感の感性を志向する。互いに競合する関係ではなく、それぞれ異なるお客様とライフスタイルを取り込みながらブランドを拡張する二つの軸(Dual Pillars)として設計したのだ。

 

しかし、これを現実に具現化する過程は決して容易な挑戦ではなかった。肌本来の自然なツヤを前面に押し出す過程で、完成度の高い肌の仕上がりという既存の「ブラック」の魅力が相対的に色あせてしまわないだろうか。逆に、違いを意識するあまり二つのラインの特徴を際立たせすぎると、一つのブランドであることが感じられなくなるのではないか。新しいフランチャイズをつくるためだけでなく、すでに強力な既存資産と共存する方法を見つけるために、激しい葛藤を重ねなければならなかった。

 

私たちはまず、二つのフランチャイズをそれぞれ一人の人物、すなわちペルソナとして描いてみた。単に肌の仕上がりの違いを超えて、話し方や態度、普段着る服のシルエットやライフスタイルまで細かく分けて想像した。その結果、ブラックが自分だけのアイコニックなムードでどこにいても堂々としたカリスマと鮮明な存在感を放つ人物であるなら、リフレクションは華やかに飾らなくても本来の優雅さとゆとりが自然に表れる人物として具体化された。

 

 

出典: HERA

 

 

こうして分けたペルソナは、モデルのビジュアルルックはもちろん、実際のテクスチャーを開発し、目指す肌の仕上がりを判断する基準点となった。二つのラインが互いの領域を侵すのではなく、それぞれの「なりたい姿」を明確に代弁し、それぞれに選ばれる理由をつくることができた背景だ。

 

クッションとして初めて披露したリフレクションが、ファンデーション、チーク、パウダーへと領域を広げ、現在準備中のスキンケアハイブリッド領域まで自然に拡張できたのも、このペルソナが羅針盤の役割を果たしてくれたからだ。新しい製品を検討するたびに「リフレクションらしいか。」という問いに立ち返った。一つの鮮明な世界観のもとで製品が有機的につながりながら、リフレクションは今、ヘラを支えるもう一つの軸として定着しつつある。

 

 

OUTRO: ブランドは結局、世界観として記憶される

 

一つの製品という「点」が集まってフランチャイズという「星座」を完成させるまでには、お客様が共感できる明確なアイデンティティと、揺らがない一貫性が必要だ。こうした強固な中心が支えとなったとき、初めてフランチャイズ戦略は代替不可能なブランド資産として定着する。

 

市場とトレンドは絶えず変わり、お客様が期待する体験もまた進化し続ける。その変化の中でブランドだけの哲学を失わずに、新しい可能性を重ねていくこと。フランチャイズ戦略とはもしかすると、ブランドが時代の変化とともに成長しながら、最後まで自分らしさを守っていく方法を考え続けるプロセスなのかもしれない。

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イ・ユンジ

アモーレパシフィック HERA BMチーム
メイクアップBM12年目
  • アモーレパシフィックにメイクアップBMの新入社員として入社し、フェイスメイクの本質を探究してきました。
  • 単なる肌づくりにとどまらず一人の印象と固有の空気感を設計し、製品が持つ世界観をお客様の日常へ届けることにやり甲斐を感じています。
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