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2026.07.13
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Create New Beauty、ビューティーテックであなただけのホリスティック・ロンジェビティを完成させる

パク・ウォンソク、先行ビューティー研究Division長

あらゆる技術は人へ向かう。なかでもビューティーテックは、より直接的に暮らしにすぐさま変化をもたらし、ポジティブな影響を与える。時代を先取りしてビューティーテックの歴史を切り拓いてきたアモーレパシフィックは、昨年MITと電子皮膚プラットフォーム「スキンサイト(Skinsight™)」を共同開発した。お客様一人一人のホリスティック・ロンジェビティのための新しい可能性を開いた、世界に存在しなかった技術だ。スキンサイト(Skinsight™)をはじめ、アモーレパシフィックの製品に息づくさまざまな技術とともに歩んできた先行ビューティー研究Division長のパク・ウォンソクは、振り返ってみればすべての技術がニュービューティーへ向かっていたと言う。「彼」や「彼女」とひとまとめにされた対象ではなく、ただ「あなた」だけという、たった一人の人生のための技術こそがアモーレパシフィックのビューティーテックの目指す先だ、ということだ。

 

 

こんにちは。まずは簡単な自己紹介をお願いします。

はじめまして。アモーレパシフィック技術研究院で、ビューティーテックを含むバイオサイエンスと材料科学の研究を統括しているパク・ウォンソクです。21世紀が始まったばかりの頃にアモーレパシフィックに入り、現在まで技術開発の旅をともにしています。最近、チームメンバーとともに電子皮膚プラットフォームのスキンサイト(Skinsight™)を開発するなど、肌の専門性とAIデジタル技術を融合させて、アモーレパシフィックならではのニュービューティーをつくるために努力しています。

 

 

 

 

スキンサイト(Skinsight™)への国内外の関心が高まっています。電子皮膚プラットフォームとおっしゃいましたが、スキンサイト(Skinsight™)はどのような技術なのでしょうか。

スキンサイト(Skinsight™)は、髪の毛の100分の1の厚さという超薄型のセンサーパッチです。傷口に貼るハイドロコロイド絆創膏(デュオアクティブ)の10分の1ほどの薄さなので、肌にぴたっと貼ると透明に馴染んで、まったく違和感がありません。この薄くしなやかなパッチを肌に付けている間、チップに付いた無線送信機を通じて肌のデータがリアルタイムでパソコンやモバイルに送信されます。自分の肌の上に、24時間自分だけを見守るスマートセンサーを載せておくようなものです。

このパッチの中には、肌をより正確に理解するための三つのコア技術が盛り込まれています。微細な肌の変化まで感知する超精密半導体工法、肉眼やカメラではわからない内側のハリと水分を測定する技術、そして、こうして集まったデータを分析して肌の状態を理解するAI技術です。注目していただきたいのは、これまでの技術では測定が難しかった「内側のつっぱり」まで診断するセンサーです。洗顔後に顔がつっぱるといった主観的な感覚は、神経が肌の奥深くにあるため測定が本当に難しいのです。スキンサイト(Skinsight™)は、肌が微細に収縮する力を直接感知し、目に見えない内側のつっぱりを完全に数値として診断してくれます。実際に研究室で培養した皮膚にこのセンサーを付けて乾燥した環境をつくったあと、潤燥(ユンジョ)エッセンスを塗ると収縮が起きにくくなる保湿効果が、リアルタイムデータにそのまま記録されるのを確認できました。従来の肌診断が瞬間を診断する「肌の写真」だったとすれば、スキンサイト(Skinsight™)は一日中変化する「肌の映像」のような技術だと考えていただければいいと思います。このように24時間絶えず自分の肌の変化を読み取り、診断とソリューションを届けるので、電子皮膚プラットフォームと言えるわけです。

 

どのように研究を始められたのかも気になります。

お客様一人一人の将来の肌の変化はまったく異なりますが、それを予測しコントロールするために私たちは何ができるだろうか、という問いと想像から始まりました。従来の肌診断はカウンセリングルームやドレッサーの前で単発的に行われ、明らかな限界がありました。その瞬間のコンディションや環境に左右されることもありました。しかし、実際の肌の老化は、紫外線、季節の変化、ストレスなど日常生活の環境の中でリアルタイムに進行します。「お客様が日常で日差しを浴び、ストレスを受けるそのすべての瞬間を、24時間追跡できないだろうか。」というところから出発し、24時間密着できるビューティーデバイスへの想像力が、スキンサイト(Skinsight™)という現実として実現しました。そして、その想像力が、ちょうどMITのキム・ジファン(Jeehwan Kim)教授チームが持つ世界最高水準の「ストレッチャブル・ウェアラブルセンサー(肌の動きにも自然に密着するしなやかなセンサー)」技術と出会って、これだ!と衝撃が走ったのです。偶然のきっかけが良い結果へつながった、研究者が言う一種のセレンディピティ(serendipity)が起きたわけです。

 

 

 

 

24時間、自分の肌の状態を観察して老化を予測し、ソリューションを届けてくれるとは、すぐにでも使ってみたくなります。いつ頃実用化を期待できるでしょうか。

気持ちとしては、すぐにでもすべてのお客様に使ってみてくださいとおすすめしたいのですが、実際には半導体などかなり高価な材料と工程が入る技術なので、もう少し時間が必要です。ただ、こう申し上げることはできます。私はしばしば、新しい技術開発を自動車産業のコンセプトカーにたとえます。モーターショーに出てくる未来型のコンセプトカーです。そのコンセプトカーがそのまま量産されるわけではありませんが、その中に盛り込まれたコア技術がそれぞれ進化しながら数多くの派生モデルを生み出していきますよね。

スキンサイト(Skinsight™)も同じです。この技術は、未来のビューティーテックの大きな方向性を示す道標になると確信しています。また、このプラットフォームを通じて蓄積されたリアルタイムの環境データと分析アルゴリズムは、今後さまざまな形のパーソナライズされたスキンケアサービスへつながっていくでしょう。来年ぐらいには百貨店の店舗やフラッグシップストアでお客様が直接体験できるよう、精緻なサービスの形にして持っていこうと準備中です。おそらく、このスキンサイトが今後、店舗などを通じて広く普及したり、さまざまな形に派生していけば、お客様にホリスティック・ロンジェビティの本物のソリューションを提供する基盤になってくれるはずです。

 

スキンサイト(Skinsight™)でCESのイノベーションアワードを7年連続で受賞されました。特にグローバルメディアの反応もかなり高かったと伺いました。

CES 2026での公開直後、Skinsight™は未来のビューティーの新たな地平を開いたという評価を受け、グローバルメディアの注目を集めました。

米国の有力紙Los Angeles Timesは、これを肌とヘアケアの未来を示す代表的なデバイスとして紹介し、Marie Claireは「CES 2026で見た最も優れたビューティーテック」の一つに挙げて革新性を高く評価しました。また、Engadgetは、MITとの共同研究から生まれたウェアラブルパッチの科学的原理と信頼性を大きく報じました。

特にBeautyMatterは、Skinsight™を含むAIベースのウェアラブル・スキンセンサー技術を、スキンケアがヘルスケアへ拡張される転換点として評価し、パーソナライズされたケアと肌状態の予測の可能性に注目しました。

 

現場で感じられた成果は何でしたか。

ありがたいことに連続してイノベーションアワードをいただき、プレッシャーにもなりますが、それだけ私たちの努力を見てもらえているという感謝の気持ちが大きいです。今回のCESというグローバルな舞台で最も意味があったのは、私たちを見る市場の視線が完全に変わったという点です。これまでグローバルメディアは、アモーレパシフィックを「Kビューティーを代表する伝統的な化粧品会社」として見ていました。ところが、最近は「データとAIでビューティーの領域を再定義する企業」として注目し始めています。人を中心にデータを解析するビューティーテックのプラットフォーム企業へと進んでいく私たちの青写真を読み取ってくれたことが、大きな成果だと思います。こうした反応は、「ニュービューティー(New Beauty)」で美しさの新しい可能性を開こうとするアモーレパシフィックのビジョンが、世界中の人々の共感を得ているという証だと思います。

 

 

 

 

グローバル市場でビューティーテック分野において認められているアモーレパシフィックならではの競争力は何だとお考えですか。

基礎R&Dからマーケティングまですべてのプロセスを内製化したフルスタックのインフラと、膨大なデータ資産ではないかと思います。最近のグローバルビューティー市場は単なる戦場ではなく、どこから何が飛び出してくるかわからない激しいゲリラ戦のようです。数多くのインディーズブランドがマーケティングを武器に素早く参入し、消えていきます。こうした状況の中で、アモーレパシフィックの本当の武器は、トレンドに流されず「なぜ良いのか」を科学的根拠によって定量的に証明してみせるヘリテージだと思います。

私たちは1990年代に手書きで作成していた研究ノートから最新の臨床データまで、30年以上研究を続けながら膨大なデータを蓄積してきました。その記録もすべてデジタル化し、データ資産として管理しています。結局、その研究記録の一つ一つが、いまではAIが学習する資産になっているのです。AI時代において、データ資産を持つ企業と持たない企業の将来の競争力は比べものになりません。グローバルな舞台でもこの点が認められています。膨大なデータの上に先端技術を融合させる技術力が、私たちならではの圧倒的な競争力だと言えます。

 

アモーレパシフィックのR&Dの中心軸を歩みながら組織を率いる長として、ビューティーテックの本質は何だとお考えですか。

一昨年頃から、ビューティーテックという言葉が一般名詞のように使われ始めました。感性の領域である「ビューティー」と、理性的な「テック」が合わさっているので、最初は耳慣れないと感じる方も多かったですね。概して、ビューティーテックといえば、単に流行しているホームケアデバイス程度に狭く考えられがちですが、それよりはるかに大きな領域をカバーする技術で、お客様の暮らしを革新する巨大な領域です。この領域で目を見張るような成果を出すためには、何より本質に忠実でなければなりません。長く働きながら気づいたのは、技術はとにかく「人中心、お客様中心」でなければならないということです。それが本質です。見せるための華やかな技術や、スローガンにとどまる研究は、長く持たずに引き出しの中へ入ってしまいます。技術の価値は、お客様の暮らしにすぐ実感できるポジティブな変化をつくり出したとき、初めて完成するのです。

 

 

 

 

アモーレパシフィックの先端技術を率いる研究員に必要なコアスキルは何でしょうか。

私たちの先行ビューティー研究Divisionは、現在、バイオサイエンス、材料サイエンス(materials science)、そしてビューティーテックラボまで、大きく三つの軸で構成され、50名ほどの各分野の専門家が集まっています。彼らに私が強調している能力は、世界に存在しなかった未来を夢見る想像力と、それを最後まで押し進めて実現しきる勇気です。この二つが結局、新しい技術を生み出すのです。

また個人の能力以外に、メンバーがともに力を合わせる過程も重要です。そのバランスを取ることもまた一つの能力です。想像力と協調性、どちらか一つでも欠けてはいけません。もし想像力がなく、協調だけがうまければ、毎日集まってお酒を飲むだけになってしまいませんか。(笑)逆に個人の能力が優れていても、バラバラに散らばっていては何一つ完成しません。核心は、「一つの想像力」を中心にメンバーが同じ夢を見て、それぞれ異なる専攻と能力を集めることにあります。私たちは、まったく異なるバックグラウンドを持つ専門家が集まり、新しい視点とアプローチでぶつかり合ってセレンディピティを生み出しています。それぞれの専門性と観点を互いに共有するので、一人では絶対に思いつけなかった次元の違うアイデアが飛び出してきます。こうして、異なるレンズを持つ人材が粘り強く一つになって、スキンサイト(Skinsight™)のようなイノベーションが生まれたのです。

 

常務ご自身の想像力も気になります。研究者として、新しいアイデアやインスピレーションは主にどこから得ていらっしゃいますか。

お客様の日常と困りごとでしょうね。おそらく私を含めたアモーレパシフィックの研究員は同じ考えだと思います。お客様が毎日鏡を見ながら感じるごく小さな不快感、ライフスタイルの微細な変化を鋭くとらえるところから、あらゆる偉大なアイデアが出発してきました。ここにもう一つ加えるなら、境界を越えてさまざまな分野に関心を持つことです。伝統的な化粧品科学だけに閉じこもっていては取り残されるのは目に見えています。ですから、医薬学、美容整形はもちろん、今最もホットな合成生物学まで、学界と産業界の最先端の知識を吸収しようと努めています。

 

 

 

 

きらめくアイデアで数多くの製品を生み出してこられましたが、研究者として最もおすすめしたい製品は何なのか気になります。

臨床試験のあとの評価が良い製品があります。そういうものは市場に出れば必ず成功するというのが、研究者の間ではほとんど公式のように通じる経験則です。(笑)今、皆さんがお使いになっているすべての製品に、そうした良い評価がありました。それでも、あえて挙げるなら、製品よりも成分についてお話しできるかと思います。高麗人参、緑茶、椿の成分は、実験室で常に良いデータが出ます。一度使われて捨てられる流行りの成分とは次元の違う魅力を持っています。ですから、徹底した臨床データで証明された当社の高麗人参、緑茶、椿の成分の製品には、深い信頼を寄せています。

 

Create New Beautyは、どのように実践されていますか。

ニュービューティーと言うには少し大げさですが、私がエステティック研究チーム長として6年間務める中で得たビューティーの真理があります。Effort never betrays you──肌は努力を裏切らない、ということです。ビューティーへの関心が高いほうではありませんが、余計なことをせずきれいに洗って自分に合った製品を塗ることだけは、自分の肌の未来のために一生懸命やっています。

 

最も愛用されている製品とケアのルーティンも気になります。

実は私は、妻が使えというものを使っています。(笑)あえて言うなら、クレンジングを少しきちんとやる方というか。この部分だけは、とても丁寧に守ろうと努めています。それ以外には、データをもとに自分に必要な製品を使ってみることもあります。研究者の特権と言えますね。

 

ニュービューティーを探している人々へ伝えたいメッセージはありますか。研究者として考える美しさの定義とは何でしょうか。

難しい質問ですね。美しさの一部を担う科学的根拠とメカニズムを研究する者が、あえて美しさを定義するというのは、おこがましい越権行為のように思えるからです。それでも私の考えを申し上げるなら、私とまったく同じ肌を持つ人は、この世に一人もいません。自分の肌の状態を時々刻々と精密にモニタリングし、自分の状態に合った最適なルーティンを見つけていきながら、自ら幸せを感じること。それが本当の美しさではないかと思います。

 

 

 

 

今後、アモーレパシフィックのビューティーテックがどのような方向へ発展することを期待されますか。

AIで世界がひっくり返る大きなターニングポイントを通り過ぎているところですが、未来のビューティーも大きく変わるでしょう。先端AIが、お客様の肌の状態はもちろん、生活習慣やリアルタイムの環境まで賢く理解する時代がもうすぐ来ます。私たちのビューティーテックがその瞬間、ひたすら、そのお客様一人のためだけの「ハイパーパーソナライズされた精緻なソリューション」をピンポイントで示してくれる方向へ進化することを期待しています。そうして、お客様の日常の中で、なくてはならない、代替できない必須の存在になってほしいと思います。そのために世界中の数多くのお客様の暮らしを捉えたデータで技術を発展させ、これをアモーレパシフィックが最も得意とする圧倒的なスキンケア、そして、ウェルネスのインフラと結合させれば、アモーレパシフィックならではのホリスティック・ロンジェビティのエコシステムを完成できると思います。

 

最後の共通質問です。「アモーレパシフィックは挑戦し、必ずやり遂げるために○○する」。

「アモーレパシフィックは挑戦し、必ずやり遂げるために限界を越える」。

いつもやってきた既存のセオリーにとどまっているだけでは、世界市場を牽引するニュービューティーは絶対につくれないと思います。誰も行かなかった道を行き、みんなが不可能だと言った技術を必ず証明してみせること。そのために、アモーレパシフィック技術研究院は全員、これからも恐れることなく、思い切り楽しみならが限界を越えていくつもりです。

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