コラボレーション、ブランドにレイヤーを重ねる - AMOREPACIFIC STORIES
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2026.07.09
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コラボレーション、ブランドにレイヤーを重ねる

BMのB面記録 #2 ヘラ×マークゴン コラボレーション

コラムニスト

イ・ユンジ HERA BMチーム

Editor's Note


上海を拠点とするグローバル新進デザイナーブランド「マークゴン(Mark Gong)」とのプロジェクトで感じた協業の意味、そして、ブランド固有のレイヤーを積み上げていくプロセスについての記録。慣れない挑戦がいかにしてブランドの唯一無二の物語になるのか、新しいつながりがどのような可能性を開いてくれるのかを綴った。

 

 

1. 「マークゴンって誰ですか?」

 

 

 

プロジェクト初期、会議室で最も多く耳にした質問だ。それは単なる好奇心というより、「なぜ今、この馴染みのない名前が私たちのブランドに必要なのか」という疑問に近かった。実際、今回の協業は単に新しいデザイナーブランドと組むためのプロジェクトではなかった。メイクアップブランドとしてヘラが持つ先導的なイメージをさらに確固たるものにし、他のブランドとは異なる方法で春夏シーズンを語りたいという問題意識から始まったのだ。つまり、単なるデザインコラボレーションにとどまらず、ブランドの哲学や姿勢までともに表現できるパートナーを探したかったのだ。

グローバルファッション市場のライジングブランドを検討していた中で、マークゴンの「Gong Girl」と、コンテンポラリー・ソウル・ビューティーブランドであるヘラが志向する「Seoulista」というペルソナが通じ合っている点が目に留まった。自由で主体的な姿勢で自分だけの美しさをつくっていく女性像、そして、過去の基準にとどまらず常に新しいスタイルを提案するという哲学は、ヘラが語りたい「優雅な反逆者」の姿とも重なっていた。

馴染みのあるものは安定的で、失敗の確率を下げてくれる。しかし、ブランドを前へ進める力は多くの場合、慣れ親しんだやり方ではない挑戦の中から生まれる。コラボレーションとは単に二つのロゴを並べて載せる作業ではなく、異なる二つの世界観が噛み合い、それぞれの本質をより鮮明に浮かび上がらせるプロセスだと考える。製品の機能だけでは満たせないブランドの躍動感と奥行き、すなわち「私たちだけの物語」は、まさにこうした未知の世界と出会ったときに初めて完成する。

 

 

2. 製品を超えて「一つのシーン(Scene)」として存在するということ

 

 

 

2026 春夏上海ファッションウィークの現場は、今回のプロジェクトの意味を最も鮮明に体感した空間だった。単に製品を披露する場にとどまらず、グローバルなファッションと文化の流れのなかでヘラがどのようにつながるのかを経験する舞台のようだった。

 

舞台の幕が上がる前の風景は、ランウェイほど華やかではなかった。バックステージは慌ただしさと緊張感が入り混じり、休むことなく動き続ける荒々しい空間だった。モデルのリハーサルが続き、ヘア・メイクチームが忙しく動き回る間も、私たちは絶えず意見をすり合わせていかなければならなかった。

 

なかでも容易でなかったのは、異なる視点の間でバランスを見つける作業だった。ヘラが今回の協業を通じて示したかったアイデンティティは明確だったが、同時に相手が持つ独創性やファッションショーの現場の流れも尊重しなければならなかった。どのような方法でブランドの存在感を打ち出すか、そして、どこまで介入しどこで一歩引くのか。その判断は、思っていた以上に多くの調整を必要とした。ブランドの意図を濃密に落とし込みながらもパートナー固有の美学を損なわないこと、互いの強みが自然につながる接点を見いだすことが、何より重要だった。

 

そしてついにランウェイの上で目にした光景は、その激しいプロセスのすべてを、心から納得させてくれるものだった。私たちの製品は単に肌の上にのせるメイクアップを超え、デザイナーが生み出したファッションと出会って一つの空気感を完成させ、コレクションが伝えようとした自由で官能的な姿勢をより鮮明に浮かび上がらせた。そして、そのシーンは、数多くのブランドのなかでヘラだけが持ちうる独創的な物語となった。

 

 

3. どのようなブランドとして残るのか?

 

 

 

ブランドは製品だけでは完成しない。時間とともに積み重なる固有の感覚と物語、そして、数多くの選択の痕跡によって記憶される。そして、BMとは、その選択をどの方向へ積み上げていくかを考える者だ。時が流れても代替されないブランドは、それぞれに多層的な側面を備えている。製品の機能や成果だけでは説明できない空気感と姿勢、すなわちブランドだけの唯一無二の「世界観」が存在するのだ。

 

そして、そうしたレイヤーは、最も安定的で効率的な選択の瞬間よりも、未知の世界と進んでつながり、新しい可能性を探索した時間の中でつくられるのだと思う。ときには手慣れた方法から離れ、意外な領域と協業することで、ブランドは少しずつ、より立体的な姿へと成長していく。

 

数字は毎シーズン新たに更新されるが、ブランドが時間の中で積み上げてきた選択の軌跡は消えることなく残り、道をつくる。どのような価値を大切にしたか、どのようなシーンにともに立ち会ったか、どのような挑戦を選んだか。それは究極的に、ブランドだけの資産であり物語を構成する。私たちが絶えず境界を広げ、新しいつながりを試みなければならない理由ではないだろうか。単に一瞬の流行をつくるブランドではなく、時が流れても人々の記憶に長く残るブランドになるために。

 

 

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イ・ユンジ

HERA BMチーム
メイクアップBM12年目
  • アモーレパシフィックにメイクアップBMの新入社員として入社し、フェイスメイクの本質を探究してきました。
  • 単なる肌づくりにとどまらず一人の印象と固有の空気感を設計し、製品が持つ世界観をお客様の日常へ届けることにやり甲斐を感じています。
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