トレンドは、どのようにメイクで表現されるのか? - AMOREPACIFIC STORIES
#Makeup Artist Column
2026.10.20
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トレンドは、どのようにメイクで表現されるのか?

26 F/W Haute Couture Beauty Trend

 

 

最近、明洞や広蔵市場のように、観光客が多く訪れる場所に足を向けている。馴染みのある街なのに、ふと旅行者になったような瞬間が不思議に感じられる。韓国語よりもさまざまな言語が耳に入り、私たちが当たり前のように通り過ぎていたハングルの看板や古い路地、日常の風景が、誰かにとっては韓国を訪れる理由となる。韓国人としては、訪れてくれてありがたくもある。

考えてみると、トレンドも似たようなものだ。新しいものが突然登場するのではなく、常にそばにあったものを新たな目で見つめる視線から始まる。私たちは、あまりにも慣れ親しんでいたため気づかなかったものを誰かが特別なものとして発見し、その発見が文化となり、好みとなり、トレンドとなる。芸術もまた、同じだ。実は、私たちの日常は芸術と切り離されてはいない。建築と音楽、衣装とデザインはもちろんのこと、毎日するメイクやヘアスタイルにも芸術的要素が息づいている。しかし、それを意識し、自分なりの方法で表現するとなると、話はまったく別だ。

服を着て、化粧品を選び、ヘアスタイルを変える過程の中で私たちは、少しずつ自分だけの好みをつくりあげていく。流行をそのまま追うよりは、自分の魅力をより引き立てる方法を探すようになり、その過程ではじめて「自分らしさ」が完成する。

今シーズンのオートクチュールコレクションもまた、似たような印象を残した。それぞれのメゾンは、これまで以上に自分たち独自のアイデンティティと世界観を明確に示した。ランウェイでは大胆な芸術的試みが続いたが、メイクは意外にも現実に近いものだった。過剰な演出よりも、肌の輝きや目元の雰囲気、唇の血色感のように、誰もが自分なりに解釈し、取り入れられる表現が多く登場した。結局、トレンドとは、真似するものではなく、表現するものだ。今回のコラムでは、2026年秋冬のオートクチュールコレクションで発見したトレンドが、実際のメイクでどのように表現されているのか、そして、その中から自分らしい美しさをどのように見つけられるのかを探っていこうと思う。

 

 

1. ほら、あなたにもできる、セミグロウ肌

 

Tamara Ralph, Paris

Christian Dior, Paris

Balenciaga, Paris

 

 

今回の秋冬オートクチュールコレクションで共通してみられる肌キーワードは、「洗練されたセミグロウ肌」だ。タマラ・ラルフ(Tamara Ralph)は、なめらかに整えた肌にほのかなツヤを残して優雅なクチュールムードを完成させ、ディオール(Dior)は、ナチュラルに整えた肌に控えめなアイメイクを施し、ラグジュアリーなバランスを見せた。バレンシアガ(Balenciaga)もまた、構築的な衣装とのコントラストを意識して肌の仕上がりをあえて控えめにし、ベースメイクそのものの完成度がルック全体の雰囲気を支えることを示した。共通点は明確だ。過度にテカっているツヤではなく、肌のキメはなめらかなのに、ツヤは控えめに抑えた肌の仕上がり。それが、クワイエット・ラグジュアリーを象徴する肌だ。

 

 

<大人の女性向けメイクYouTube検索バー_26.09.21検索時点>

 

 

海外での教育で各国を回っていると、国や文化が違っても、お客様が求めるイメージは驚くほど似ていると感じる。最近、多くのお客様のニーズが「きれいになりたい」から、「雰囲気のある人に見られたい」へと変化している。YouTubeでも「大人の女性向けメイク」や「雰囲気のあるメイク」といったキーワードが根強い人気を集めているのも、こうした理由からだと思う。では、「雰囲気」はどこから生まれるのだろうか。リップカラーやアイメイクももちろん重要だが、結局は美しい肌が土台となる。肌がきれいであれば、美しさの半分は完成したようなものだ。だから、ラグジュアリーメイクでは、華やかなポイントメイクよりも肌の仕上がりに重点が置かれる。

 

 

<梅田阪急BXの教育の様子、出典:筆者撮影>

 

 

K-ビューティーが世界市場で愛されるようになった理由も、大きな違いはない。健やかに輝く内側からあふれるツヤ肌は、今や一つのトレンドを超え、韓国メイクを代表するイメージとして定着している。外国人のお客様が韓国人女性の肌を見て、真似したいと感じるポイントも、濃いメイクではなく、きちんと手入れされた肌のように見せる仕上がりにある。こうした肌は、単にテカっているだけの肌とは異なる。健康な肌のキメに沿ってほのかに反射する光がカギであり、まるで素肌そのものが美しく見えるような、自然なツヤが重要となる。

個人的にも、こうしたセミグロウな肌の仕上がりを最も好む。しかし、毛穴が気になる自分としては、悩みがあった。グロウアイテムを多く使うと毛穴が目立ち、だからといってマットなアイテムを使うと、メイクが浮いて見えることが多かった。そのため、しばらくはグロウな化粧下地にマットなファンデーションを合わせたり、逆に毛穴をカバーするマットな化粧下地にグロウなファンデーションを合わせたりして、バランスを取っていた。そんな中で見つけた最高のルーティンが、グロウなファンデーションとHERAのリフレクション スキングロウパウダーの組み合わせだ。

 

 

<リフレクション スキングロウパウダーのスウォッチ動画、出典:筆者撮影>

 

 

最初は、パウダーなのに、どうして内側からあふれるようなツヤを保てるのか不思議だった。しかし、実際に使ってみると、なぜそのように表現されるのかがわかった。しっとりとした化粧下地を塗り、グロウなファンデーションを重ねた後にリフレクション スキングロウパウダーを使うと、余分な皮脂だけが抑えられ、肌の内側からあふれるようなツヤはそのまま保たれる。不思議なことに、肌がワントーン明るく見え、キメもなめらかに整う。一番うれしいのは、パウダーを使った後も乾燥せず、まるでサロンで肌のケアを受けたような状態を演出できるという点だ。

 

 

<私の最高の組み合わせアイテム、出典:筆者撮影>

 

 

アーティストの立場としては、グロウメイクで最も重要なのは、最初の塗り心地ではないと思う。塗ってすぐのツヤ感には、ほとんどの製品が十分に満足できる。しかし、本当の違いは時間が経つにつれて現れる。グロウなアイテムを使いこなすのが難しいと感じるお客様のほとんどは、メイクがすぐに崩れたり、時間が経つとテカったりして、結局使わなくなってしまうと話す。つまるところ、重要なのは持続力なのだ。リフレクション スキングロウパウダーは、皮脂を抑えながらツヤを残すという方法で、こうした悩みを解決してくれる。過度なツヤではなく、きちんとお手入れされた肌のように見えるツヤを演出するため、「Healthy Luxe Skin」というキーワードにも自然につながる。

 

 

<メイクアップアーティスト実演動画、出典:筆者撮影>

 

 

[How-To] with HERAリフレクション スキングロウパウダー

 

私のグロウスキンルーティンはシンプルだ。日焼け止め、しっとりとしたブースティングベース、グロウファンデーションの順に使い、最後にリフレクション スキングロウパウダーを少量だけ取り、頬の高い部分、額、フェイスラインを軽くなでるようにのせる。こうすると、ツヤを保ちながら余分な皮脂だけを抑えることができる。特に、優れた製品の基準は、テクニックに関係なく、誰もが望むルックを完成させられることだと考えているのだが、この製品は、特許出願されたファブリックメッシュによって適量だけが出てくるため、誰でもダマにならずに自然に仕上げることができる。

今シーズンの肌の表現は、過度なツヤの代わりに、なめらかな肌のキメとほのかなツヤで完成させる、健やかでラグジュアリーな肌表現だ。HERAがリフレクションユニバースを通じて提案する肌表現でもある。結局、雰囲気は肌から始まり、美しい肌は生まれつきのものだけではなく、メイクによってつくり出すことが十分に可能だ。

 

 

2. ソフトブラーリングアイメイク

 

Aelis, Paris

Ashi Studio, Paris

Elie Saab, Paris

 

 

アイメイクに共通していたのは、華やかな色使いよりも、落ち着いた陰影とラインを生かしたポイントメイクを中心としていることだ。アエリス(Aelis)は、クールピンク、ローズベージュ、ソフトベリートーンを活用して、柔らかさの中にも雰囲気のある目元を表現している。アシ・スタジオ(Ashi Studio)は、トープやグレー、ブラウン系の陰影を使って、セクシーでありながら程よい上品さを完成させている。エリー・サーブ(Elie Saab)もまた、きれいに整えた肌に、際立つまつ毛とほのかなアイポイントを加え、視線が自然と目元に集まるように演出している。

特に今シーズンは、多彩なカラーを使う方法よりも、質感の違いや奥行きによって雰囲気を演出するのが特徴だ。クールピンクやローズベージュ、ソフトベリー、アーモンド系のカラーが多く使われ、全体的に彩度よりも明度や質感の変化に重点を置いている点が際立った。

また、色をのせることと同じくらい重要な2つのポイントは、まつ毛のエクステンションと目元のケアだ。上下のまつ毛のうち、どちらか一方を長く、くっきりと強調する手法が目を引いた。また、くすんだ目元に色をのせると、目元が疲れているように見えることもある。そこで、くすんだ目元に明るさを与え、うるおいとハリまでケアできる、コスアールエックスの5PDRNコラーゲンバイタライジングハイドロゲルアイパッチを使ってみることをおすすめする。

 

 

<完成したルックの例、出典:AIで生成した動画>

 

 

[How-To] with エチュードマイプチパレット

 

エチュードのマイプチパレットのアイシャドウで、一度にたくさんの色を重ねようとせず、ついているかどうかわからないほど少量だけブラシに取り、色を幾重にも重ねていく。目の形は人によって異なるため、境界線を決めるよりは、目元の凹凸に沿って塗ればよい。それでも難しい場合は、目を閉じた状態で、上まぶたの60%にベースカラーを、40%にポイントカラーをのせると、先ほど述べたような自然なグラデーションが生まれる。そのあと、エチュードのカールフィックスマスカラ スキニーを使うと、まつ毛エクステをしたように長く見せることができるが、毛が密集しているブラシの先についた液を少し落としてから使うと、下まつ毛も自然に長く見せることができる。下まつ毛は中顔面を短く見せるための裏技なので、ぜひ取り入れることをおすすめする。

 

 

結果として、この秋冬シーズンのアイメイクは、くっきりと描くメイクよりも、ぼかした境界の中で奥行きを生み出すメイクに近い。そこに、彫刻のような立体感を引き立てるコントゥアと、秋のトーンの落ち着いたピンク、ブラウン、ソフトオレンジ系のカラーが加わり、より成熟したラグジュアリーなムードを完成させる。

特にブラウン系は、どのような色と組み合わせても全体の印象を落ち着いて上品な雰囲気に仕上げてくれるため、クチュールコレクションのように、挑戦的なファッションルックとのバランスを取る役割を果たす。こうした点を踏まえると、今回のコレクションのアイメイクのトレンドは、商業的に広がる可能性が非常に高いと思われる。誰もが試すことができる色と雰囲気を重視しているからだ。

 

 

3. 透き通るように染まる血色感リップ

 

Aelis, Paris

Balenciaga, Paris

Georges Hobeika, Paris

 

 

今回のコレクションのリップメイクのトレンドは、みずみずしいツヤ感と、顔全体の雰囲気を引き立てるカラーのアクセントにある。特に今シーズンは、コーラルレッドやドライローズ系のカラーが目立ち、優雅でフェミニンなムードを強調したリップメイクが多数登場した。リップラインをくっきりと整えるよりは、唇の内側から外側へとカラーが自然に広がるように重ねて、洗練されたセンスのある雰囲気を演出しているのが特徴だ。

実は、リップアイテムを選ぶのは思ったよりも難しい。自然な発色を求めると、持続力や血色感の表現が物足りず、反対に発色のよい製品は、唇だけが目立ってしまうことが多い。特に秋シーズンのブラウンやモーブカラーは、一歩間違えるとくすんだり、重たい印象になったりするため、なかなか挑戦しにくい。

こうした悩みへの答えが、HERAのセンシュアル シャインティントだ。ティント特有の透明感のあるツヤと重ね塗りの効果で、深みのあるカラーも重たい印象にならずに表現でき、鮮やかな発色と自然なツヤを同時に実現できる。また、ティントにありがちな乾燥感や唇がつっぱるような感覚を抑え、たっぷりの保湿オイルを配合することで、最大12時間しっとりとした唇を保てる点も魅力だ。

 

 

<HERAセンシュアル シャインティント#クルーレスと#ルビーの組み合わせ>

 

 

[How-To] with センシュアル シャインティント

 

この製品は、鮮やかな発色とツヤ感を同時に実現しているため、重ね塗りせずにアプリケーターで一度だけ塗っても唇の色を十分にカバーできる。より立体感を出したい場合は、ベースカラーを唇全体に薄く塗り、ポイントカラーを唇の内側に重ねる。その後、綿棒や指先でトントンとたたきながらなじませれば完成する。

ソウルビューティーの魅力は、鮮やかなカラーを使いながらも、メイク全体と調和するように仕上げることにある。HERAは、「ソウリスタ(Seoulista)」というペルソナを軸に、センシュアル シャインティントの「ソウルローズ」、ルージュ クラッシィの「ソウルレッド」のように、ソウルの感性を取り入れたカラーストーリーを継続的に発信してきた。今後も、こうしたカテゴリーがK-ビューティーを代表するリップのトレンドとして定着し、ソウルならではの洗練された感性とムードを纏った「Seoul Couture Lip」フランチャイズへと発展することを期待する。

 

 

4. ほのかなシマーメタリックチークライター

 

Yanina Couture, Paris

Iris Van Herpen, Paris

Elie Saab, Paris

 

 

ベースメイクのもう一つのトレンドとしては、きれいな肌に血色感とツヤを同時にプラスする、チークとハイライトを組み合わせた「チークライター」が目についた。アイリス・ヴァン・ヘルペン(Iris Van Herpen)のコレクションでは、超現実的な衣装と調和する、後光を思わせるような肌表現が披露された。エリー・サーブ(Elie Saab)も、ピンク系のストロビングハイライトを組み合わせ、顔に生き生きとした印象と立体感を加えた。

一時期、ハイライトのトレンドは肌にツヤを与えることに重点が置かれていたが、最近はチークの血色感まで取り入れたような方向に進化している。肌はできるだけきれいに保ちながら、自然な血色感とツヤを同時に演出することがポイントだ。

そのため、クロームメタリックピグメント(Chrome metallic pigment)のような光を反射する粒子を使い、頬や鼻筋など、光が最初に当たる部分に薄く重ねる手法が多く登場している。まるで水面にカラーピグメントが浮かんでいるかのように、ほのかに光を反射するツヤが、モダンな印象を生み出す。

 

 

<完成したルックの例、出典:AIで生成した動画>

 

 

[How-To] with エスポアストロビングハイライター

 

メタリックピグメントは、ポイントとして少量のせるよりも、広い範囲に使うときにより効果的だ。一般的に、乾燥肌にはクリーム・リキッドタイプ、オイリー肌にはパウダータイプが適しているが、エスポアのストロビングハイライターは、ゼリー状のストロビングドウをプレスした製品で、肌タイプに関係なく、様々なトーンやムードを演出できるゲームチェンジャーの役割を果たす。

つまり、チークとハイライトの境界が次第に曖昧になっていると言える。きれいな肌にほのかなツヤ感を同時に出すことで、健やかで生き生きとした印象にするのだ。今後はこのクリーンスキンに、血色感と輝きを同時にデザインする「Flush Glow」というカテゴリーへとつながっていく見通しだ。

 

 

 

本資料に使用されたメイクのトレンドキーワードは、HERA BXチーム(HERA Div.)で多数のデザイナーコレクションのメイクを直接収集して分析したものです。

*原稿作成:HERA BXチーム チャ・ミンギョン
*出典:http://spotlight.launchmetrics.com

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チャ・ミンギョン

 

Amorepacific HERA BXチーム
Global Makeup Trainer
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